KAERU

初めてUターン転職する人はゼッタイ知っておくべき!
Uターン転職で失敗しないための全手順

こんにちは。岩手への帰り方を一緒に考えるサイト「KAERU」編集部です。

岩手県へのUターン転職を希望する皆さんを応援しています!

今回は「地元に帰って仕事をしたい」というUターン転職希望者の方々に向けて、わかりやすく、Uターン方法について解説したいと思います。

これまで首都圏一極集中、地元を離れて大都市へ働きに出る人が多かったのですが、新型コロナウイルスがライフスタイルを変え始めた今、都会から離れて地方で働きたいと思っている人は多いのではないでしょうか?

ただ、そのような移住ブームの中で、わたしたちKAERU編集部は違和感を覚えるようになりました。

それは「Uターン転職に失敗している人が多い」ということです。

ネット上にある移住系情報サイトや広告では、

地方で悠々自適なスローライフ…

海辺でMacBookを開いてお仕事、疲れたら気晴らしに海水浴… 

Uターン転職で失敗しないための全手順

といった「優雅でキラキラしたイメージ」で宣伝しているケースが増えてきました。

もちろん、地方での暮らしには素晴らしい自然・美味しい食事・自由な時間があります。

ですが、良いこと尽くしではないのがUターン転職の実情。

Uターン転職が決まって引っ越したら、自分を新しい環境に適応させる必要があります。

環境の変化はどんな人間にとっても多かれ少なかれストレスですよね。

特にUターン転職は、普通の転職とは違いライフスタイルがガラッと変わるケースがほとんどです。

ただ一方で、Uターン転職をする前に調べればわかることや、事前にしっかり準備することで新生活を快適で素晴らしいものにすることは十分可能です。

この記事では皆さんがUターン転職をする際に必要なチェックポイントやテクニックなどさまざまな情報を記載していますが、先に結論を言うとUターン転職を成功させるために最も大切なことは、

「Uターン転職するための準備・調査がどれだけできるか」です。

こんなはずじゃなかった…」ということがないように、できる限りUターン転職前と後のギャップをなくし、さまざまなサポートを活用することが大切です。

編集部
櫻井

新卒で卒業後すぐに上京、しかしやはり地元に戻ってスローライフを過ごそうっていう人は僕の周りにもたくさんいます。そういう人に向けて「スローライフ」とか「好きなように生きていこう」とか、いろいろな広告が出回っていますが、それらに対して違和感を感じています。

いわて圏
代表 佐藤

そうですね、良い面だけ見せて誘っているというケースはよく見ます。それに対して僕らKAERUはリアルな地方での暮らし、また岩手でUターン転職支援をしてきてわかったことなどさまざまあり、それらをUターン転職者さんたちとシェアして、成功していただきたいと考えているんです。

櫻井

知っておけば違う、ってことはたくさんありますよね。

佐藤

そうですね。ぜひKAERUがみなさんのお役に立てれば幸いです!

Uターン転職のメリットとデメリット、実際に移住する際にチェックしておくべきポイントなどさまざまな情報についてお伝えしますので、Uターン・移住を検討している方々の参考になれば幸いです。

それではまいります!



Uターン転職の理由TOP7

他の人がどんな理由でUターン転職を決意したのか気になると思いますが、大手転職サイトマイナビさんがアンケート調査をした内容が下記です。

第1位:自分にあった生活スタイルや趣味を活かした生活がしたいから(32.0%)
第2位:家庭の事情(24.8%)
第3位:勤めていた会社に不満があるから(23.8%)
第4位:地元の方が生活環境が充実するから(22.6%)
第5位:地元の方が経済的に楽だから(21.2%)
第6位:地元は自然環境が豊かだから(20.2%)
第7位:通勤が楽になるから(19.2%)

※出典→Uターン転職に関する実態調査(マイナビ転職)(Uターン転職経験のある20~39歳の男女500名が対象)

「自分にあった生活スタイルや趣味を活かした生活がしたいから」が第1位になっていますが、地方での暮らしに憧れてUターン転職する人が多いようですね。

もちろん、広大な自然やきれいな空気、アウトドアを楽しむことはできますが、事前にリスクを把握しておくことも大切です。

事前に知りたい!Uターン転職でのリスクとは?

Uターン転職のリスクはやはりお金周りに関することが一番に挙げられますが、それ以外にもUターン転職する際に考慮するべきことは多々あります。

Uターン転職する際の仕事面のリスクと生活面のリスクを挙げてみましたので、チェックしましょう。

Uターン転職の仕事面リスク①:年収が下がる

Uターン転職の仕事面リスク①:年収が下がる。

Uターン転職のリスクとしてまず最初に挙げられる点はやはり「年収」。東京都と比べて各地方エリアの年収は大きく下がります。

例えば、東京都から岩手県の企業にUターン転職した場合、東京都の平均年収が600万円程度であるのに対し、岩手県の平均年収は360万円と大きな差があります。

年収はおおよそ30~最大40%くらい下がるイメージを持っておくと、移住してからの生活水準の想定がしやすく、ギャップも少ないかと思います。

「この収入差にどのように対応するか?」という問いに対して、出費を減らすか、収入を増やすかのどちらかになりますが、会社勤めの場合は固定費を削る方法をまずはおすすめします。

Uターン転職の仕事上のリスク②:環境が合わない

Uターン転職に限った話ではありませんが、職場環境が合わずにやめてしまうケースも多いです。

特にUターン転職では職場環境を調査することが物理的に難しいため、面接時の情報だけで判断してしまったり、「人財」不足である企業側がよく見せすぎて現実とのギャップがあったり。

会社の雰囲気や状況・実際の働き方などは、面倒でも会社訪問をしたり、知人・友人・家族にヒアリングをしたりと下調べを行うことをおすすめします。

「新しい仕事を探せばいいや」と新しい仕事を探そうとしても、地方では都内と比べて求人数が圧倒的に少なく、かつ自分に合った仕事内容を探すのはとても難しいため、事前にしっかりと調べてギャップがないようにしましょう。

Uターン転職の生活リスク③:車移動が必須となる

Uターン転職の生活リスク③:車移動が必須となる。

地方は車社会です。

一家に一台ではなく、ひとり一台で所有しているケースがほとんどです。

首都圏に住んでいると車を買うなど想像もつきませんが、地方では車がないと生活ができません。

首都圏からUターンしてきて「車がなくても、しばらく何とか生活できるだろう」「あとから購入すればいいや」と考える方も少なくありませんが、どこへ行くにもふらっと歩いて行ける距離ではないので、車は移住したらすぐにでも購入することをおすすめします。

また地方の特色として、山道が多かったり、雪が積もったり、路面が凍結したり、沿岸沿いで錆びやすかったりと、さまざまな違いがありますので、その土地に合った車を選択した方がよいでしょう。(東北などは雪が多いので4WD車を選ぶケースが多いです)

駐車場代も忘れずに!

駐車場代も忘れずに!

駐車場についても、もちろん契約する必要があります。

駐車場付きの物件もありますが、別で契約する必要がある場合は月5,000~8,000円くらいの費用がかかりますので、想定しておきましょう。

Uターン転職の生活リスク④:引っ越し費用

Uターン転職の生活リスク④:引越費用

当たり前ではありますが、引っ越し費用がかかります。荷物が少なければ多少は抑えることができますが、家族がいる方は引っ越し費用が重くなってきます。

東京都→岩手県・4人家族ですと、一般的な引っ越しの金額感でおおよそ20~30万円程かかります。

転職先から引っ越し手当などが助成されるケースがありますので、移住先の市町村ではどのようなUターン助成金があるのか確認しましょう。

たとえば、岩手県北上市のケースだと「UIターン定住促進事業費補助金」として引っ越し費用が30万円支給されます。(2020年8月時点※各種支給条件があります)北上市補助金詳細

Uターン転職の生活リスク⑤:家族との合意

Uターン転職の生活リスク⑤:家族との合意

Uターン転職をされる方で最も多い年齢層は30代後半~40代の方で、ご家族がいらっしゃるケースが多いです。

生活環境が大きく変わる移住は転職者本人だけでなく、周りの人たちの(特に家族)人生を変えることになる、と認識しておかなければなりません。

Uターン転職で移住する際に家族やパートナーからよくある相談を下記に示しましたので、目を通してお互いに納得のいく状態で移住を決断しましょう。

【よくある悩み】

  • 近所付き合いがゼロからのスタートになるのが嫌だ。
  • 子供にせっかく友達ができたから、転校させたくない。
  • 田舎は不便で生活しづらいから嫌だ。
  • 年収が下がるので、生活が苦しくなるのではないかと心配。

・・・・・・

このような悩み・不安を抱えることとなりますので、家族の声にもしっかりと耳を傾けてあげてください。

Uターン転職の生活リスク⑥:エンタメ施設が少ない

エンターテインメント施設(例えばアウトレット・遊園地・ショッピングモール)などは首都圏と比べて少ないです。

居酒屋なども、限られた数で閉店時間も早く、地方では22時ごろに閉店するお店が多いです。

カフェなどは18時には閉店するので「夜、ふらっと外に出掛けてカフェでサクッと仕事をする」のが難しかったりもします。

Uターン転職のメリットは?

Uターン転職のメリットはさまざまありますが、豊かな生活環境と生活コストを下げられる点が大きいです。

それでは具体的にUターン転職のメリットをご説明します。

Uターン転職のメリット①:貴重な「人財」になることができる

「首都圏でバリバリ仕事をしてきた」というだけでも、地方ではアドバンテージとなり得ます。やはり首都圏での仕事は地方と比べるとスピード感や競争力という点において、大きく差があります。もちろん仕事のクオリティーやスキルも関係しますが、首都圏で働いてきたバックグラウンドは地方ではアドバンテージになります。

Uターン転職のメリット②:生活のランニングコストが下がる

生活する上で必ずかかってくる固定費として食費・家賃が挙げられますが、この固定費が地方では首都圏と比べて圧倒的に低い金額に抑えられます。

また流動費についても、飲みに行く回数や娯楽関連の買い物の回数が減るため、抑えることができます。

例えば、家賃相場例として岩手県のデータをご紹介します。



ワンルーム 1K/1DK 1LDK/2K/2DK 2LDK/3K/3DK 3LDK/4K~
盛岡市 5.4万円 5.2万円 6.5万円 7.6万円 9.0万円
宮古市 4.6万円 4.5万円 5.2万円 6.8万円
大船渡市 4.5万円 5.4万円 6.3万円 7.4万円
花巻市 4.3万円 4.8万円 5.9万円
北上市 4.8万円 5.5万円 6.1万円
久慈市 4.9万円 4.8万円 5.5万円 6.1万円 6.9万円
遠野市 3.7万円 3.5万円 5.4万円 6.5万円
一関市 5.0万円 5.6万円 6.3万円 7.2万円

出典(SUUMO:岩手県の家賃相場情報)

東京では1人暮らしでも5万円台で住むことはなかなか厳しいですよね。

地方であれば、2~3人暮らし(2LDK)で10万円以内に収めることができ、固定費を大きく下げることができます。また補助金などでは家賃補助や手当なども出るので、そちらを充てることでさらに経費を削減することができます。
(移住補助金についての詳細はこちらに掲載しています)

~豆知識~

また一軒家に住む人も多いです。

一軒家はさらに金額を抑えられるケースが多く、月額3~5万円で住んでいたり、住宅維持をする代わりに無料で住んでいいという大家さんもいたりします。

ただ一軒家にもメリットデメリットがあり、水まわりがボロボロだったり、虫に悩まされたり、冬場冷え込んだり…と「なかなか良い一軒家に巡り合えず、5回も引越しをした」という人もいるので、移住してからすぐに一軒家に住むことはあまりおすすめしません。まずは環境が整ったアパートで生活に慣れてから、一軒家に挑戦することをおすすめします。

Uターン転職のメリット③:自然環境がいい

Uターン転職のメリット③:自然環境がいい。

地方の魅力は何といっても「広大な自然」。
良い住居環境での生活にはさまざまなメリットがあります。

自然の恵み「野菜」がおいしい

基本的には地方では産地直売所があるので、そこで買うことができる野菜は本当に新鮮で美味しいものばかりです。
また、沿岸部では新鮮な魚介類も安く手に入れることができます。
このメリットは働くパワーを生み出す、健康で長生きする、といったベースの質を上げてくれます。

アウトドアの趣味が増える

広大な自然に対峙すると、チャレンジ精神が生まれます。例えばキャンプ・釣り・写真・登山・トレッキング・自転車・ツーリング(ドライブ)・家庭菜園(畑)・料理等々… さまざまな趣味・楽しみが増えることは間違いありません。

子育て環境がいい

これは言うまでもないですが、子育て環境としても素晴らしい地方。人と人とのつながりが強い地方エリアでは、近所付き合いが良くも悪くも密接なのでご近所さんが子供の面倒を見てくれたり、ごはんをお裾分けしてくれたり、コミュニティーの恩恵を受けることができます。また子供向けの助成金なども徐々に整い始めている自治体が増えてきましたので、金銭面でもメリットがあるケースがあります。

Uターン転職のメリット④:補助金や助成金がある

Uターン転職のメリット④:補助金や助成金がある。

国が人口一極集中の状況を鑑みてさまざまな地方移住の補助金・助成金を打ち出していますので、地方で暮らす上で補助金・助成金は大きなメリットとなります。

各助成金・補助金については、自治体によって金額や条件が違うケースがありますので、自分が移住する自治体の助成金・補助金については前もって調べましょう。

例えば内閣府が全国的に出している助成金として「移住支援金」があります。

地方創生移住支援事業の概要(出典:内閣府HP)
東京23区(在住者又は通勤者)から東京圏外(※1)へ移住し、移住支援事業を実施する都道府県が選定した中小企業等に就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方に都道府県・市町村が共同で交付金(※2)を支給する事業です。

※1 東京圏内の条件不利地域を含みます。
※2 100万円以内(単身の場合は60万円以内)で都道府県が設定する額

この他にも「子育て」「開業支援」などさまざまな助成金・補助金があります。

岩手県各市町村の補助金については、こちらのページで詳しくまとめていますので、ぜひ活用してみてくださいね。

Uターン転職のメリット⑤:職業訓練校という学びの場がある

Uターン転職のメリット⑤:職業訓練校という学びの場がある。

地方だから学びの機会が減るのではないか?という不安があるかもしれませんが、地方には職業訓練校という施設が存在しています。

職業訓練校では再就職希望者から在職者の方々向けに、WEBデザイナー養成講座やマネージャー研修など、さまざまな学びの場を提供しています。

岩手県では下記エリアに職業訓練校がありますので、もしUターン転職・移住した際は活用してみてください。

  • 花巻高等職業訓練校(HP)
  • 遠野高等職業訓練校(HP
  • 釜石高等職業訓練校(HP

——(後編につづく)